MADE BY ARCHITECT

Yuko Maki 牧 祐子

設計を行う際、その建築の持ちうる固有性について常々考えています。まずは現地を注意深く観察し、クライアントとの対話を重ねていくこと。机上に集まった条件や特性、様々な要望を分析しながら丁寧に整理していくとその建築の持つべき輪郭が次第に見えてきます。一方でその固有性は同時に立ち現れることもあれば形を決定していくプロセスの中で徐々に現れてくることもあり、様々です。その場に建ち、そのクライアントが住み手であるからこそ生まれる固有性が明快であるほどその建築は長く愛されるように感じています。また完成直後の真新しさだけでなく年月を重ね、住み手の暮らしを内包する中で表れてくる風合いも建築の美しさの一つだと思います。変わりゆく時代の中でも長く魅力的であり続ける建築を残していきたいと考えています。
https://studioyukomaki.com/

1983年
新潟県生まれ
2006年
東京理科大学理工学部建築学科卒業
2008年
ヘルシンキ工科大学(現アアルト大学)General Study Program 修了
2010年
Konstfack University of Arts, Crafts and Design InSpace 修士課程修了
2010〜15年
Elding Oscarson 勤務
2015年〜
Studio Yuko Maki
2016年〜
ICSカレッジオブアーツ非常勤講師
2020年〜
東京理科大学理工学部建築学科非常勤講師

PLAN

標準的な70㎡の間取りをベースに
建築家が考えたプランです
(※下記プランにはオプションを含み
ます)

牧 祐子の考えるプラン

水回り、個室は玄関側にコンパクトにまとめ、日当たりのよいバルコニー側に家族が多くの時間を過ごすリビングとダイニングを大きくとったプランです。既存の位置や配管スペースに沿って壁配置することで極力凹凸のない整形の居室となるよう配慮しています。寝室は窓に面さないため、LDKとの間の仕切りは腰壁とし、視線は通さず光と風を通す横ルーバーの建具を設えました。空間全体の壁面は腰壁とキッチンの高さと同じ床上900mmのラインで仕上げを切り替えています。下部は木目の美しいラワン合板のオイル仕上げ、上部はブルーグレーの塗装としています。異なる素材のコントラストが空間を引き締めるとともに本件のアイデンティティとなることを意図して提案しました。

Q&A

設計で大事にしていることは?

固定観念や先入観を持たず、プロジェクトと向き合うことを大切にしています。設計者としての視点だけでなく生活者としての視点も意識して設計に取り組んでいます。美しく機能的な空間づくりを目指しています。

リノベーションで留意していることは?

光と風、時間の流れを意識して設計をしています。既存の躯体が持つ特性を最大限に活かしながら快適であること、暮らしの変化にも対応できるゆとりを持たせることが大切だと感じています。また仕上げの質感、色彩が空間の印象を大きく左右すると考えています。日々の暮らしを美しく彩るような素材選びを心がけています。

どういうふうに要望やイメージを伝えればいい?

ご自由にお話いただきたいです。明快なご要望をお持ちの方、何となくのイメージをお持ちの方、全くイメージがつかない方、お客様によってそのビジョンは様々だと思います。まずはお会いしてお互いを知ることから始めて、ライフスタイルやご趣味、お仕事の状況や将来の夢など会話を重ねていく中からデザインの方向性を定めていけたらと考えています。